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『海外でトーマンフィッシング』

yamaguchi 2023.11.10

皆様、こんにちは!
台湾で赴任中のフィールドレポーターの山口将司です。
今回は怪魚トーマンにチャレンジしてきましたので、そのレポートをお届けしたいと思います。

トーマンはチャドーとも呼ばれ、タイワンドジョウ属Channa(ジャイアントスネークヘッド)に属する、いわゆる日本で言うところの雷魚の仲間です。東南アジアに広く分布しており、台湾、マレーシア、インドネシア、タイなどの温暖な地域に生息しています。トーマンを狙って日本から海外遠征する人も居たり、ツアーが組まれたりと、人気のルアーターゲットになっているようです。

台湾ではこれまで計4回トーマン釣りをしたのですが、うち3回がボウズという厳しい結果に…。なかなか簡単には釣れないトーマンですが、一日に訪れる数少ないチャンスをしっかりものにしないと、こういう結果となります…。

今回のコラムでは、唯一釣れた1日にフォーカスしたいと思います。

台湾のトーマンフィッシングですが、基本的にはダム湖(人造湖)での釣りとなり、地元のガイド船…といっても、発砲材やパイプを組んで造られたイカダのような船での釣りになります。大きく移動するときはエンジンを使い、釣りをするときはハンドコンのエレキで操船する形になります。船内はフラットな造りなので、釣り自体はしやすい印象です。魚探などの概念は無し…(笑)ボートや艤装品を含め、まだまだ発展の余地はあります。

地元のガイド船。イカダのような造りです。

トーマンを狙う際には、大きくわけて3つのアプローチがあります。
①稚魚ボール狙い(オレンジ色をしたトーマンの稚魚の群れがボール上となって水面に現れるので、稚魚を守っている親トーマンを釣る釣り方。)
②呼吸撃ち(水面まで肺呼吸しに浮上するトーマンを狙い撃ちする。呼吸後に水中に戻っていくトーマンを狙う釣り方もある。)
③カバー撃ち(様々な障害物に居付くトーマンを釣る。バスフィッシングと同じアプローチ。)

訪れたフィールドは野池のような雰囲気のダム湖。アシのようなベジテーションや竹などのシャローカバーが豊富なフィールドになります。8月に訪れたので、真夏の気候。産卵期のピークも超えたので、稚魚ボールは一度しか見ませんでした。よって、狙いはトーマンの呼吸撃ち、もしくはシャローに点在するカバー撃ち!

自然豊かで美しいフィールド!

同じ会社の同僚である釣り好きジャスティンさんにイカダ船を手配してもらい、ガイドは雇わず船だけをレンタル、ジャスティンさん所有のハンドコンのエレキ&バッテリーを持ち込み、全てにおいておんぶに抱っこの状態で釣りをすることが出来ました…(笑)

トーマンを釣るルアーを付け加えると、水面をターゲットにするフロッグやバズベイト、ペンシルベイト、ワッパープロッパーのような回転系トップウォータープラグに始まり、ミノー、ディープダイビングタイプのクランクベイトなどのハードベイト系、ソフトベイトでは6インチ以上のシャッドテールワームによる水面引きが定番のようです。私はトーマンを狙うにあたり、ボトムアップルアーに拘って釣ってみました。持ち込んだのは、ヴァラップスイマー4.2インチとスクーパーフロッグマグナム。

ヴァラップスイマー4.2インチは、トーマンの呼吸撃ちでは高確率でバイトに持ち込むことに成功しています!魚に似せたシルエットと、タイトなアクションは、バスだけではなく、トーマンにおいても食わせの力を実感しました。しかし、バイトやフックアップまで持ち込むものの、ラインブレイクやバラシなどで、なかなかキャッチには至らず…。

トーマンは雷魚と同様、ルアーを水ごと一気に吸い込むバイトなので、4.2インチのヴァラップスイマーでは一瞬で丸飲みされ、鋭い歯によってリーダーがラインブレイクしてしまいます。ラインブレイクした後に、地元ガイドにケプラー繊維で作られたショックリーダーを頂きましたが、すでに後の祭り…。6インチ以上のシャッドテールワームが定番となっているのは、サイズの大きめなワームのほうがトーマンに丸飲みされづらく、ラインブレイクする確率も減るようなのです。さらに、6インチクラスのシャッドテールワームになると、ワームの重量が上がることで飛距離がアップ、アクション自体も大きくなりルアーパワーも上がります。海外のフィールドにおいて、魚があまりルアーにスレていない状況、しかし魚自体の密度は少なく、複雑なカバーや水深の深い所から魚を呼びたいといったシチュエーションにおいては、ルアーのサイズ感や、アクションにおけるパワーが必要だと感じました。

左側がヴァラップスイマー4.2インチ、右側が現地で使用されていた6インチクラスのシャッドテールワーム。

ちょうどヴァラップスイマーのサイズアップバージョンを開発しているとのことで、こちらのほうがトーマンフィッシングにおいてはベストサイズになるのではないかと思います!今から発売が楽しみですし、新サイズのヴァラップスイマーは海外の釣りにおいてワールドスタンダードになるかも!?

釣りのほうは、朝からミスバイトが数回あり、トーマンの反応は決して悪くはない。すると、船長のジャスティンさんが6インチクラスのシャッドテールワームでグッドサイズのトーマンをキャッチ!キャッチするまでの一部始終を見ていましたが、水面での激しいバイト、強烈な引きなど、やはりトーマンは怪魚と言われるだけの相応しい魚であることを実感…。

船長のジャスティンさんがグッドサイズのトーマンをキャッチ!傷一つない美しい魚体!

私も小さいサイズながらもヴァラップスイマー4.2インチでキャッチに成功!!

私はヴァラップスイマー4.2インチ(オフセットフックのシャンク部に糸オモリを巻いたウェイテッド仕様)でベジテーション周りを引きまくって、人生初となるトーマンをゲット!小さいサイズの子トーマンながら、何度もヴァラップスイマーに激しくバイトしてきて、とてもエキサイティングでした!

なんとか初トーマンをキャッチしたので、お次はビッグフィッシュ狙いでスクーパーフロッグマグナムを投入!持ち込んだドリンク飲料も底を尽きかけ、暑さで朦朧としてきた頃、バンクに垂れ下がるツルのようなカバーの際にキャストし、ワンアクションで水面が大爆発!!一呼吸おいて、渾身のフルフッキング!

水面に上がって来たと思ったら、再び水中に急突進したりと、今までに味わった事のない荒々しいファイト!

サイズは計測していないのでわかりませんが、かなりのグッドサイズ!!
頭はデカくて恐いし、魚が重すぎて、顔が引きつっています…(笑)

普段、ホームフィールドで釣りをしている霞ヶ浦では、かなりの大きさのアメリカンキャットフィッシュを釣ったことはありますが、トーマンの引きの強さや、果敢にルアーにアタックする姿は、まったくの別物。いきなり水面を割ってルアーが引き込まれるので、非常にエキサイティングです!海外で人気のターゲットになるのも頷けます。

今回、スクーパーフロッグマグナムで、ビッグサイズのトーマンをキャッチしましたが、バスは言うに及ばず、他魚種においてもビッグフィッシュを惹きつけるパワーがあるのかと感じます。エラストマー素材なので、鋭い歯をもったフィッシュイーターでも破壊されにくいのも嬉しいポイントですね。今後、海外遠征でトーマンなどの怪魚を狙われる方は、是非、スクーパーフロッグマグナムを試してみて欲しいと思います。


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