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川村 光大郎 Kotaro Kawamura

1979年2月14日生まれ
茨城県出身


kawamura 2023.08.01

こんにちは、川村です。

この度、ギルシェイプワーム「Gimmy(ギミー)3.5in」をリリースさせていただきます。

いわゆるギル系といわれるカテゴリーで、個人的にもフラットシェイプならではの威力は幾度となく経験するところ。
しかし、すでに市場には優れたモデルがあるのは、皆さんもご存じのとおりだと思います。
後発として出すからには、バスにとって新たな刺激となる要素を盛り込まなければ意味がありません。

一言でギル系ワームといってもそれぞれに個性がありますが、細かいことを抜きに大別するならば、スライドフォールタイプと水押しの強いタイプに分けられると思いました。
これらは相反する性能でもあり、水押しが強いタイプは抵抗感があることでスライドフォールはしなくなる傾向です。
しかし、どちらのタイプでも明らかにバスからの反応が良いモデルが存在していますので、どっちが釣れる、ということではなく、バスに訴える要素が異なると考えています。
リグやシチュエーションとの相性もありますしね!

もう少し捕捉すると、スライドフォールタイプでもフラット面は広いことで、動く方向や瞬間的には強い水押しを発したりと、一概に水押しが弱いとは言い切れません。
ただ、手前に引いた時にはス~ッと軽い抵抗で、進行方向へのブレーキ力は弱いタイプです。

一方、手前に引いた時にしっかりとした抵抗感を感じるタイプは、スライドフォールしない代わりに常に強く水を押している。
進行方向へのブレーキが効いていることは、フォールスピードをスローに、ジグストのような誘いで移動距離を抑えてくれるメリットもあります。

さて、開発当初は、スライドフォールと強い水押しの両立を目指しました。
ハリースライドが、バックスライドフォールと自発的フォールアクションの両立をかなえたように。

しかし、試行錯誤した結果、断念することに。
手作りの段階では出来そうな気もしたのですが、結果、中途半端なモノから脱することができなかったからです。

“ホタテ貝” とルアマガ古川編集長に名付けられた1次試作は釣れないことはなかったものの、わざわざ使いたいとは思えないシロモノでした。

2022年6月、豊英ダムにて。

ただ、ブルスホッグの開発で見出したスリットで水を受けてバイブレーションする動きは魚系にもハマると思って採用したところ、そこに関してはイイ!(^^)!
尻尾の震えに近いだけでなく、ロッド操作ではしなやかに上下動すると同時に厚みのあるテールが水を押してくれます。

ただ、ボディ側をどう調整してみても、テールの抵抗が引っ張ってしまい、納得のいくスライドフォールには届かず。
相当にテールの抵抗感を軽くすればスライドしますが、その方向性ではすでに優れたモデルがあります。

そしてもう一つ求めたアクションがあって、ボディ側面もヒレのようにたなびかせたい!
で、少し反らせた突起を付けたのですが、思ったほど震えてくれず(^^;
デザイン的にも、幅広ボディからさらにパーツを張り出すことにちょっと違和感・・・

内側を震わせよう!と、リブに沿ってカッターを入れてみることに。

すると、リブ面が水を受けることで自発的に震える動きが出たのです!

「これだ!」と、さらにバリエーション違いを比較したところ、リブ同士の間隔にキモがあることに気づきました。
密過ぎるとリブの一枚一枚が水を受けにくくなったり、リブ同士が干渉して震えづらい。
かといって、間隔が空きすぎてもスカスカになり、抵抗感もシルエット感も損なわれてしまう。
さらに、リブの先端を少し曲げることでレスポンスが向上しますが、これも曲げ過ぎるとリブ面に水が当たりづらくなるのかマイナスに転じました。

他には、テールのスリットに穴を空けたところ、可動域が広がり振り幅が大きくなることに気づきました。

それらを盛り込んで上がってきた2次試作は、十分に使えるレベルに!

サイドリブの震えのみならず、やや早めに引くと瞬間的にしぼんで形状変化も見せる。
また、引き抵抗の増加により、ジグスト誘いしたときにはよりゆっくり誘えるようになりました。

サイドリブの先端も、最もレスポンス良く震える角度に調整。

しかし課題も・・・

工場側より、テールスリットに穴を空けたことでテールエンドまで素材が流れにくいとのことで、接合部を少し肉厚にしないと量産はキビしいとのこと。
そして、ボディ(芯)が細身になったわりには動きにしなやかさが足りず、動きに一体感がない。
サイドリブの震えも、もう少し震えて欲しいな~(^^;

上記の結果から、3次試作では腹側に細かくスリットを入れしなやかさを持たせました。

テールスリットの接合部は、わずかに幅増&肉厚にすることで素材流れを良く。
サイドリブは付け根を細く絞ることで震えやすくしました。

(写真上:2次試作、写真下:3次試作)
腹側のスリットが深くなり、サイドリブの付け根を絞りました。

これらの修正により全体的にはまた少し良くなったのですが、それでもボディはもっとしなやかに波打ってほしい。

性能が低下した部分も・・・スリットの接合部を肉厚にしたことでテールの振り幅は小さくなってしまい、これなら1次試作の方が良かった。
さらに、ピックアップ時にボディが回転することもあると、フィールドスタッフより指摘されました。
ボディサイズも、もう少し大きくていいかな。

これらから4次試作は・・・

(写真上:3次試作、写真下:4次試作)

よりしなやかにするために、背中側のリブ間にも谷状の切れ込みを。
スリットに穴を空けることはやめ、スリットの肉厚を薄くし直しました。

ボディの回転を抑えるのは、末広がりになっていたテールエンドの側面をストレートに近づけることでバタつきを抑えました。
ちなみに、これはある程度最初から把握していたことで、テール左右の端に抵抗を受けるとアンバランスになってしまう。
テール形状を、中央部分を出っ張らせたウチワ型にしているのはそのためです。

ここに記した以外にもその都度細々修正してきたことはあるのですが、
動きは繊細で柔らかく、だけど水押しは強い。

これらを満足のいくレベルで、そしてボディの輪郭を震わせるニューアクションも備えて適えることができました。

水中動画を観ていただくと分かりますが、幅広いリグで、フォール中もボトムでも魅力的なアクションを演じてくれます。
また、フレキシブルに曲がることで、フッキング性能も申し分ありません!(^^)!

推奨フックサイズは、オフセットフックでは2/0~3/0となります。
ボディのしなやかさをより生かすのであれば2/0で、より掛かりを優先するなら3/0といった具合でしょうか。
ボクはナローゲイプのD.A.Sオフセットと中間ゲイプのライトニングストライク(ともにハヤブサ)を使い分けており、テキサスリグだとナローゲイプの方がボトムでの姿勢の傾きが少ない分、美しいかな。
まあ、微々たる差ですので、お好みでよろしいと思います(^^)/

ネコリグでは、スナッグレスネコならN.S.Sフックの3/0。
チョン掛けなら、モデルによって若干サイズ感が異なりますが、1/0~2/0。

石井一樹さんに勧められたネコストッパー(バスマーク)を試したところ、キャスト時の身切れを気にせず振り切れて快適でした!(^^)!

実釣解説動画の撮影では、ギャップジグとの組み合わせでボクの霞水系タイ記録となる53.5cmが出たのですが、カンタンではない場所そしてバスが、ただジグストしているだけで食ってきたことに確信を深めました。しかも48.5cmと連発で。

開発を終えた今は、サイズアップ版が欲しくて仕方ない!も、まだ他に滞っているアイテムがあるので、もう少し先ですかね(^^;

オマケ・・・

2018年に思いつきを描き、削ったギル・・・動かず(^^;

kawamura 2023.04.24

こんにちは、川村です。

スクーパーフロッグに中間サイズ、「ダディ」がリリースとなります。

開発は、マグナムと同時にスタートしました。
よってフィールドテストも並行して行っていましたが、マグナムの方が先に完成!
ダディは途中でボディサイズを見直した分、進行が遅れました。

バーサタイルタックル(ベイトM~M+)で扱いやすいボディサイズであることは最初から決めており、
自重8g以上あればノーシンカーでも十分投げやすいだろうとイメージし、ボディサイズを決めました。

ところが・・・上がってきたサンプルを使ってみると、飛ばない!
自重は計算どおりクリアしていたのですが、パーツの空気抵抗アップによる失速がその理由でした。

そこで、当初はフックサイズを♯2/0に合うようにしていたところ、♯3/0に合わせてボディをスケールアップ!
11g超えになったことで、ノーシンカーでも快適にキャストが決まるようになりました!(^^)!

アクション面においても、大きくなった分キックアクションのレスポンスがスローに。
素材を硬くすればレスポンスは良くなるのですが、動きの質もカタくてイマイチ。
フッキング的にも悪い方向へいくことは明らかです。

そこで、レッグを全体的に僅かながらスリムにして軽く、付け根は逆に太く、そして角度を少し内側に入れることでレッグが伸びてからの戻りを強めました。
ノーシンカーでのアクション動画をよく見ると分かるのですが、レッグが戻ると同時にボディを引き寄せていることでも移動距離を抑えています。

ダディによって専用タックルを必要とせずともフロッグゲームを組み込めますが、ベイトタックルで扱う太さのフロロカーボンラインではダイブしがちに・・・

そこで、口をカップ状にすることで、水を受けると同時に上方向へのベクトルを発生させています。
カップを深くし過ぎると、ヘビーダウンショットなど沈めて使うときに浮き上がり過ぎてしまうため、微かにとどめています。

マグナムと並行して行っていた実釣テストでは、デカバスへの訴求力や食いが立っている状況においては断然マグナム!!
しかし、マグナムではバイトを得られない状況でも、ダディには食ってくる。状況に応じての使い分けが明確にできることに手応えを感じました!(^^)!

推奨フックは♯3/0と記しましたが、もう少し捕捉しますと、
ボクはライトニングストライク(ハヤブサ)をベースにしていますが、極端にワイドゲイプなタイプとの使い分けもします(動画で伝え漏れました)。

ライトニングストライクだと、針先を出しっぱなしの状態(これが基本)でも針先はボディに沿うため、スナッグレス性能とフッキング性能のバランスがイイ!
一見、ボディに対してゲイプ幅が不足しているようにも見えますが、スリットが深いため問題なく、スリ抜けにも優れます。
しかし、引っ掛かる心配がないシチュエーションであれば、
ボディから針先が完全に浮いた状態で露出するインフィニ(リューギ)やマッスルフック(イチカワフィッシング)で針掛かりに特化させるのもよろしいと思います。

リグは、ノーシンカーとヘビーダウンショット、ジョイントタイプジグのトレーラーでの使用頻度が高く、他にはリーダーレスダウンショットもいいアクションを引き出せます。
ウエイトは、5~7gがフォール中にレッグをパタつかせるのでおススメ。
しかし、“よりゆっくり誘いたい” “素早くリアクション的に誘いたい” といった時には、推奨ウエイト以外がハマる可能性も秘めています。

また、ジグトレーラーによるスカートの抵抗(フォールスピードのスロー化)によりレッグのパタつきが弱いようであれば、逆手をカット!
抵抗を減らすことでフォールスピードが速まり、逃げるようなパタつきを演出します。

また、保管は形状を守るブリスターが望ましいですが、オリジナルサイズほどクセはつきません。これはマグナムも同様です。
まあ、グチャっとした、もしくはレッグがダランと伸びた状態での長期保管は避けていただければと思いますm(__)m

先日公開した動画では、五三川にてグッドサイズばかりが反応してくれました。
多彩なフィールドにマッチし、釣果に安定感ありつつも良型好み。そんなド真ん中ストライクなのがスクーパーフロッグダディ!
欠かせない戦力になると、自信を持って送り出します(^_-)-☆

先日は、将監川でもグッドサイズをキャッチ!

kawamura 2022.12.28

いよいよ年末。弊社も本日にて仕事納めを迎えました。
本当に、一年あっという間!

釣りでも開発でも、思い通りにいったこと、いかなかったことありますが、多彩なフィールドに挑ませてもらい、新たな性能をかなえた新作もリリースでき、充実した一年であったことは確かです。

個人的には、陸王は予選で敗退し、艇王では決勝でノーフィッシュ。
ノータイトルで終わることとなり、イチから出直しといったところです。

オカッパリとレンタルボート、どちらもやっているのがここ数年のスタイル。
すると、オカッパリでは筋力の衰えを実感するし、ボートではライブソナースペシャリスト達との差に愕然とするケースが増えている。
バスボートへの気持ちがグッと高まる一時もあったりして・・・
これから何を選択し、集中するのか!? そんなモヤモヤはあったかな~(^^;

ただひとつ言えるのは、陸王は必ず獲り返したい!!しかし、今のままではそれは叶わない気もしています。
さらにハイレベル化していますからね!
パターン化してしまっている自らの釣りから、新しいものを取り入れていかないとジリ貧です。
ルアーに関しても、これまで流行りモノには無頓着な方でしたが、積極的に試してみること。
水中の真実を知れるライブソナーを導入することも、魚探のないオカッパリにおいても生きることがありそうです。

ルアーのトレンドにおいては、極細ストレートワームやマイクロベイトが挙げられる年でしたが、
個人的には、スクーパーフロッグマグナムがM.V.Pかな。デカい魚を数多く釣らせてもらいました。

他には、初夏~夏はビーブルでの釣果が多く、スピナベサイトも一時の流行りから落ち着いたからか、よく効いてくれましたね。

シーズン通してはジグストの出番が多く、ギャップジグ+ブルスホッグダディorポーク、フレックスジグ+スクーパーフロッグマグナムorダディ(プロト)は常にリグっている状態でした。
そして、スクーパーフロッグのダウンショットは、元旦初バスからの、今年も威力は健在でした。

今月号のBasserロケではスクーパーフロッグダウンショットがテーマでしたが、「あえてカエルのイメージがないワカサギレイクでやりましょう」と。
カエルとは関係なくとも効くことを証明したかったからです。

相模湖を訪れたのは一年以上ぶりでしたが、ベーシックなバンク流しに来た一発は、スクーパーマグナム丸飲みの50アップ!
この日の相模湖では大会が開催されており、ライブソナーによるシューティング、そしてマイクロベイトはもはや常識の世界。
画面上でサイトフィッシング同様にバスの口元で仕掛けられる釣法に対し、ルアーパワーでバスを引き寄せる釣法はひとつの対抗策かもしれませんね。

スクーパーフロッグのみならず、弊社の開発においてもっともこだわるのは “ニューアクション” 。

今年はありそうでなかったライブリーシンキングスィッシャーの「ジョリー」と、

バックスライドフォールと自発的アクションを限界融合した「ハリースライド」、

そしてメタルバイブでは唯一無二のシミーフォールを実現した「フルーミー」
来年リリースするアイテムにはどんなアクションを盛り込んでいるか!?ご期待いただければと思います(^_-)-☆

フィールドにおいては、バスの個体数の減少は各地にいえることだと思います。
要因はいくつかあるのでしょうが、これまで以上にバスを大切にしなければならないことをより痛感した一年でもありました。
このままだとマズいのは明らかで、スポーニングシーズンにバスをライブウェルで移動する大会は自粛する動きが広まるといいな(配慮されている団体もあると思います)。
卵にしても稚魚にしても、親が守らないと生き残れないのがバスですからね。
バスを移動しないオカッパリ大会にしても、ゲスト依頼をいただいた大会がスポーニングシーズンとかぶっていたため、開催時期を変更してもらったこともありました。
関東であれば4月中旬から5月いっぱいまでというような、旬となる一か月半ほどをかわすだけでも効果はあると思うのです。
また、釣ったバスを乾いた地面に置かない。長時間水から出しっぱなしにしない等、必要以上にダメージを与えない扱いも浸透しつつあるとは思いますが、まだ・・・
知らない方には、そっと教えていただけたらありがたく思いますm(__)m

今年も一年、お目通し、そして弊社アイテムをご哀願いただきありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えくださいm(__)m

kawamura 2022.12.16

こんにちは、川村です。

今年も残すところあと半月を切り、いよいよ年末感が色濃くなってまいりました。
何となく慌ただしく過ごしておりますが、ロケやテストの機会もいただき、フィールドへは頻繁に出ております。

さて、先日メタルバイブ「フルーミー」の初出荷を終えました。
開発スタートからは5年ほど経っていましたが、途中頓挫した期間もあってのことです。

左右に揺れながら落ちる “シミーフォール” を目指すことは最初から決めていたこと。
バイブレーションプラグではモデルによって古くからあるアクションですが、メタルバイブでは例がありません。
リフト&フォールで誘うルアーですからね、魅力的なフォールアクションが釣果の差になるであろうことは容易に想像がつきます。

しかし、前例がないということは、実現できるかすら分からない。そんなところからのスタートでした。

腹部で抵抗を受けることでシミーフォールを発生させるとなると、重心を後方にまで分散させて水平に近いフォール姿勢かな・・・
と、イメージしたイラストを元にシリコンで型取って鉛を流してみましたが・・・ぜ~んぜんシミーしない(-_-;)
それどころか、斜めに泳いできたりして、「カンタンにはいかなそう」な雰囲気でした。

そこから重心バランスを模索したり、より水受けが良くなるようヘコミをつけたりすることで、一応シミーフォールする個体が生まれました。
しかし、明確な振り幅でシミーフォールするには条件がありました。それは・・・
“フックをスプリットリングで接続する” こと。

メタルバイブでは一般的であるダブルフックの直付けでは、シミーフォールを抑制してしまうのです。
しかし、ダブルフックをスプリットリングで接続しては当然ながらフックが横を向いてしまいます。
ラインアイの向きが異なるダブルフックを特注することもよぎりましたが、そもそもスプリットリングをかます時点で針先の向きに自由度が生まれ、引っ掛かりやすくなる。
根掛かりしやすいこの釣りにおいて、ダブルフックの直付けはマスト。

さらに、鉛でカップ形状に成形しても、ぶつけたり、リフト&フォールを繰り返すうちにカップ形状が崩れてきてしまうことも問題でした。

内部構造と浮力を備えるプラグと違い、鉄板とウエイトの組み合わせをシミーフォールさせることへの限界を感じてしまったのも正直なところ。
実現できない以上、メタルバイブはお蔵入りかなと・・・

それからしばらく経った頃、ダメモトで開発のワカマツに「何とかならないかな!?」と振ったところ、思いもよらなかったアイデアで克服してくれました!

それが、鉛より断然軽量なABS樹脂で成形した水受けカップ(ABSレシーバー)を後着けすること。
軽量化によるレスポンス向上により、ダブルフック直付けでも明確なシミーフォールが生まれただけでなく、リフトで瞬時に初動するレスポンスも向上しました。
もちろん、変形の心配もありません。

実際には、ABSレシーバー以外の部分でも細かなバランス取りも重要でしたが(これまたワカマツが数多くのサンプルを作って煮詰めました)、
この新構造がなくしてシミーフォールするメタルバイブの実現はありませんでした。

シミーフォール以外には、リフトやスイミング時のアクションがタイトであることも条件でした。
バタバタと大振りな動きは、プレッシャーが強くかかった状況では効きづらいし、スレやすい。
冬はメタル合戦になることもありますから、ハイプレッシャーな条件下で効いてくれないと戦力とはいえません。

そしてラインアイは一か所のみ。複数アイの位置による使い分けもあることは承知なうえで・・・
それよりは迷いなく、リフト時のアクションがベストと判断した一点でお使いいただきたいと思いました。

フックバランスもシミーフォールに影響しましたが、ひとしきり試した中でサイズ感の相性が良かったBKK製に、フッ素コート処理をしたものを採用しています。
メタルバイブはリフト時に乗っているバイトに対し、そのまま追いアワセになることがほとんど。
滑りの良さと、若干内向きな形状は力が逃げにくいことで、不十分になりがちなアワセでも刺さりやすい仕様です。

これまでのメタルバイブは、「ストン!」と真っすぐ落ちるタイプと、スライドフォールするタイプに大別されました。
スライドフォールするタイプも間違いなく釣れるモデルで、滞空時間が長いことでバイトチャンスを稼げることと、左右に散ってくれることで広範囲にアピールしてくれます。

一方、真っすぐフォールするタイプはノーアクションながら、狙ったところをタイトに探れることがメリット。
消波ブロックの穴撃ちや、護岸キワのテクトロ、そして橋脚や立木の根本へ正確に落とせます。
魚探で見つけたディープの沈みモノといったピンスポット狙いも同様です。

で、シミーフォールするフルーミーは、ほぼ正確に狙えます。
「ほぼ」と表現したのは、やや前方に泳ぎ進むから。
これがまた、逃げていく小魚のようでいいんですよ(^_-)-☆
まあ、思わぬ方向に逸れてフォールすることはありませんので、“狙いどおりに落とせて、生命感あるフォールアクションで誘える” のがフルーミー最大の特徴です!

また、シミーアクションのみならず、チラチラとフラッシングしながらフォールすることでもバスにアピールしているはずです。

今期は5gのみのリリース。
開発をワンウエイトのみとし、完成度を高めることに集中しました。

5gの開発を終えた時点で3.5g・7g・10.5gの開発をスタートし、すでに一発目のサンプルも届いていますが、
やはり、それぞれアクションが異なるため、ウエイトごとの調整が必要でした。
ワカマツがそれぞれのアクション出しを行っているところで、すでに傾向は見えているようです。

タックル的には、ボクは今ある5gでしたらスピニングPE。
ライト~ミディアムライドクラスのスピニングロッドに、0.6~0.8号のPEライン。リーダーはフロロ2号前後を組んでいます。

ただ、フィールドスタッフの石井一樹さんはベイトフィネスタックルにて房総リザーバーで好釣果を出しており、フロロ8ポンドと組んでいるとのこと。
根掛かりが多発するシチュエーションや、カバーに絡めて使う場合はこのセッティングもよろしいかと思います。

唯一無二のシミーフォールと、ハイプレッシャーフィールドにマッチさせたアクションのコンビネーション、ぜひフィールドでお試しください\(^o^)/

kawamura 2022.10.04

こんにちは、川村です。

秋らしい空気感になってまいりましたが、まだTシャツ一枚で過ごせますね。

さて、ただ今スクーパーフロッグの最大サイズ「マグナム」の出荷を控えております。
本来であれば初夏頃のリリースを予定していましたが、微修正に時間を要してしまいました。

見た目はオリジナルモデルを拡大しただけに見えますが、それではスクーパーフロッグのベストアクションは出ず。
大きくなるとキックアクションがスローになることは予想していましたが、想像以上だったのです。
使っていて、リズムが悪い・・・
レッグの角度と形状を見直し、素材も若干硬くすることで、レスポンスを高めました。

また、ノーシンカーリグにてフロロカーボンラインの太番手で使うと、誘っている途中でダイブしてしまう。
これを防ぐべく、2次試作では口をカップ状にしてみました。

引くと上に向かう力が働くため、確かにダイブは防げたのですが・・・ヘビーダウンショットリグで使った時に浮き上がり過ぎる!
エラストマーの浮力と相まって、10~14gのシンカーをぶら下げた状態でも、グイグイ上がってきてしまうのです。
レンジキープしたり落とし込みながら誘いたくとも、それが出来ない・・・

そこで、3次試作ではカップとは言えないほどの僅かに傾斜したヘコミにとどめたところ、適度な塩梅に。
ノーシンカーリグでのダイブしにくさと、ヘビーダウンショットリグでの浮き上がりにくさのバランスを突いた格好です。

そしてもう一つ、スリット内に針先を埋めるリブを設けました。
伸びるエラストマー素材においては、針先を埋めないで使うことが基本です。
しかし、ヘビーカバーの中に入れる際には、針先を埋めて使った方が得策と思える場面もあったからです。

フッキング時に破けるよう、本当に “ 薄皮一枚 ” で刺すことがコツ。
基本はフックムキ出しで使いますが(それでもほぼカバーを回避します)、状況に応じて針先を隠せるようにもしました。

通常は針先を出した状態でお使いください。

時期的に、ノーシンカーリグによる水面使いの旬は過ぎつつありますが、ヘビーダウンショットリグやジグトレーラーにして沈めて使うことで、オールシーズン戦力!

これまではノーシンカーリグとヘビーダウンショットリグで使用していましたが、マグナムも、そしてプロトの中間サイズダディにおいても、今ハマっているのはジグトレーラー。
ダウンショット使いと同じく松本幸雄さんに教えてもらった、STEEZフレックスジグ(ダイワ)にセットしてのジグストです。

フックはマグナムに合う、♯5/0~6/0に要交換。
ジョイント構造ゆえ、ジグストしたときの上下動が柔らかいこと。
そして、フックが垂れ下がってしまうジョイント構造でも、スクーパーフロッグに浮力があるため、姿勢が垂れ下がらないことも相性がいいのです。

逆に言うと、ブルスホッグがトレーラーならギャップジグと組んだ方が、動きも姿勢も理想的です。

マグナムのボディサイズにスカートのボリューム感が加わるので、まさにビッグフィッシュキラー!
50アップ率は群を抜くものがあります。

一方で、以外にも30cm台のバスでも果敢に食ってくる。
口いっぱいにほおばって釣れてくるので、「よく食ってきたな~」なんて思ってしまうのですが、それだけ本気食いさせてしまうパワーがあるのだと思います。

マグナムに合わせるシンカーやジグのウエイトは10~14g。
ある程度重めの方が、フォール中にレッグをパタつかせるアクションをしてくれます。
10gだとゆったりをレッグをパタつかせるのですが、逆手をカットするとフォールスピードが増すことで格段にレスポンスが良くなります。
14gなら、逆手があってもレッグをイキイキと振ってフォールしてくれ、水押しも最もパワフルになるセッティングです。

カエル食いフィールドはもちろんのこと、そうでなくともバスを惹きつける力があるのがスクーパーフロッグ。
マグナムなら、普段は見向きもしてくれないビッグバスが本気食いしてくるかもしれません(^_-)-☆

kawamura 2022.07.26

こんにちは、川村です。

ここ2か月ほどの釣行はバリエーションに富んでいて、オカッパリでは霞水系・野村ダム・三川ダム・金砂湖・府中湖・牛久沼水系。
ボートでは、三島湖・豊英湖・高滝湖。

梅雨が極端に短かったこともあり、多くのフィールドに共通していたのは減水していたこと。
サイトフィッシングがメインになることが多く、中でもスピナベサイトとスクーパーフロッグでよく釣れました。

スピナベサイトは、一時流行ったことで効果の衰えを感じていましたが、それも落ち着いたからか?今年は好反応!
ただし、サイトフィッシングの手駒の一つとしてマスターしている人はいるため、他にやる人がいなかった頃のようにチョロくはないのも事実です。

基本的なことは変わらず、3/8オンスのビーブルで最も釣っているのですが、時によりマッチしてくれたのが1/4オンスのチビーブルでした。

反応はするも、あと一歩バイトに至らないときにミニスピナーベイトにすると食うことはあるのですが、スピナーベイト本来の強さというか、半強制的にスイッチを入れる力は弱まってしまうため、本来は中小型サイズが最もハマるメソッド。

チビーブルは、ミニスピナーベイトにしては抵抗感や振動が強く、スピナベサイトでも反応がいい。
出しどころとしてはズバリ、ドシャローです。

カーブスローロールできる距離(水深)が短くても、3/8オンスよりはゆっくり引けてバイトチャンスを稼げる。
そもそも着水音もソフトに落としやすいので、ドシャローでバスを驚かせにくいのもメリットです。

そしてもうひとつ、シビアな状況ではフラッシングを抑えたブレードを活用しています。
スピナベサイトといえばガンメタカラーのブレードに実績ですが、これでもバスが警戒していると感じることがあります。

そんな必要性から新たに加えたのが、ガンメタにマット加工を施した「ステルスシャッド」。
思惑どおり、高確率でバイトしてくれています !(^^)!

更にもうひとつ、突出した釣果をもたらしているのが、スクーパーフロッグにスカートを刺したもの。

ダウンショットリグでゆったりシェイクでスイミングさせると、キレキレのキックアクションにフワフワとした動きが相まって、他にはない動き!
ノーシンカーリグでも、虫っぽく微振動で誘ったり、放置するならスカート刺しの方がバスからの反応は良い感触です。

スカートの刺し方は、真横からと、背から腹にかけてはクロス刺し。
ラバー通しには、トレーラーフックを折って真っすぐにした物を使うと、エラストマーの弾力にも負けず刺しやすいです。

サイト以外では、ハリースライドやジョリーでもグッドサイズ!

ニューアクションは、バスの目にも新鮮に映っているでしょうか!?

 
そして、藤田京弥プロと対峙した陸王の予選を終えました。

内容は紙面にて・・・これまでに味わったことのない、異次元といっていい展開でした。

最強アングラーを相手に、ボクも全力のプラクティスと下準備をして挑みました。
その中で見出した、デスアダー6インチのパワーネコリグ。
中層でも目立ってフォールバイトを誘い、ボトムでもヨコヨコ誘いを演じます。

よりクネクネさせるべく煮て柔らかくし、漬け込む時間がなくとも匂いづけできるSTRUTのレーシングフォーミュラクイック(フィッシュ)をパッケージにIN!

フックはN.S.Sの♯3/0がマッチし、ホテルの部屋でガードを巻きました。

他にも、ブレーバーを繋げて9インチにしたものや・・・
こういった追い込みも、陸王ならではですかね!

驚愕の結果、ぜひお目とおしいただければと思いますm(__)m

kawamura 2022.04.26

こんにちは、川村です。

ゴールデンウィーク前に、バックスライドワーム「ハリースライド」をリリースさせていただきます。
一見ありがちな甲殻類系のルックスですが、バックスライド系に抱いていた課題を克服したデザインなんですよ(^_-)-☆

これから記する性能を適えるまで、仮金型は5回試作。
ザックリですが、遍歴を・・・

・1次試作は、ツメ動かず。フィールドでちょっと大きく感じるも、自重は8.5gほどと軽い。ヒゲとライン絡む。
・2次試作は、ウデを短くしコンパクト化しつつも、ボディは太くして重量アップ。ヒゲの根本に土台がつきました。

ここまでは、背中側よりもお腹側にボリュームを持たせていました。
低重心化できますが、フォール姿勢が安定し過ぎることでむしろ自発的アクションは出づらかったです。
ツメはハリーシュリンプ譲りの形状でした。シボの模様もウデ~ツメにかけて入れ替えて、見え方を試していますね。

・3次試作でガラッと変えました。背と腹の比率を5:5にし、ツメの形状も変え、ファクトリーロックで繋いでいます。

・4次試作までくると微調整の域に。一見分かりにくいですが、お尻部分がひとまわり太く。僅かに二の腕を細く。スリットの肉盛り位置を変更したり・・・
・5次試作でサイドレッグを3対から2対に。手首を僅かに薄くしレスポンスを向上。スリット無しの範囲を増やし対応フックを広げ。

他にも細々とはありますが、なかなかに時間とコストを費やしてしまいました(^^;

バックスライド性能に特化させることは、さほど難しくありません。
バックスライド方向に推進させる前後非対称かつヨコ扁平なボディ形状と自重があり、さらに、抵抗となる向きのパーツを持たない、もしくは軽微にとどめておく。
しかし、バックスライド性能を高めるほど、紙飛行機のようにスーッとノーアクションでフォールしていく傾向です。

自ら泳ぎ進むような自発的アクションを持たせたいけど、水を受けるパーツをつけるとバックスライド性能は削がれるというジレンマ・・・
バックスライドタイプをうたいながらフォールアクションも狙ったタイプは、そのどちらかが犠牲になっているのが実際のところです。
矛盾する「バックスライドフォール」と「自発的アクション」を納得のいくレベルで融合することが、商品化への条件でした。

その実現のために追い込んだのは、弱い水流でもレスポンス良く反応するウデ~ツメの形状もしかりですが、さらに、〝フォール姿勢″にもキモがありました。
バックスライドフォールには滞空時間を稼げる水平でのフォール姿勢が有利ですが、そうではなく、あえて尻下がりのフォール姿勢にすることです。

そうすることで、パーツを震わせるのに有利となるフォールスピードと水当たりが出る。
フォールスピードが速いほどパーツが良く動くのは分かりやすいと思いますが、水当たりとは、ウデ~ツメに対して背中面も腹面もバランス良く水を受け流すことです。
水平姿勢で落ちていくと、腹面は水を受けるものの背中面は受けにくい。そして、フォールスピードもスローになるので、パーツへの水当たりも弱い。
尻下がりの姿勢で落ちていくことで、適度なフォールスピードとともに両面とも水を受け流してくれ、安定してツメを振ってくれるようになりました。

しかし、尻を下げ過ぎてしまうとフォール角度がボトムに向かい過ぎてしまい、バックスライド性能は低下します。
ちょうど中間、45度くらいの角度でフォールしていくのが、双方を兼ねるバランスでした。

しかし、お尻側を太く(重く)していっても、意外なほど水平姿勢を維持してしまう・・・
重量バランスのみならず、3対あるレッグを2対にしてお尻側の抵抗を減らしたところ、狙いのフォール姿勢になりました。

また、今やタフコンディション下での使用が前提となります。
ボリューム感にシビアであることや、ファーストフォールでは食わないケースが増えたことも実際のフィールドで感じるところでした。
つまり、コンパクトサイズで、フォール後のバイト誘発力にも長けること。

重くした方が投げやすいのは当たり前ですが、ベイトタックルでピッチン・スキッピンしやすい範疇でコンパクトなボディであるバランスを模索しました。
自重8g台だとややタックルやスキルを選ぶ・・・なんて具合にチェックしていった結果、9g以上は欲しいところ。
フォール姿勢に関わる形状バランスも鑑みつつ、9.5g以上(平均値にて)・3.3インチに収めました。

そして、ファーストフォールで食わなくとも、バイトを誘発するのがサイドのレッグ。
ロッド操作でフワッフワッと開閉しますが、先端をピンテール状にすることで開閉時に細かく震えてくれます。

実際に、量産サンプルを知人に渡したところよく釣ってくれ、「セカンドフォールでのバイトが多い、反応が別格」との感想をいただきました。

細かいところでは、ヒゲにラインが絡むのを防ぐため、ヒゲの根本に土台を設けることで可動域を抑制し、ラインをまたぎにくくしました。
フックをセットするときには、この土台にラインアイを乗せてください。

【ノーシンカーリグ(バックスライド刺し)】

【テキサスリグ】

針先はスリット上に抜くことで、左右均等にフックをセット出来ます。
針先を隠す部分はあえてスリットを入れていませんので、ここに針先を埋めてもらえればスナッグレス効果も抜群です!

推奨フックサイズは♯3/0~4/0(モデルによって多少サイズ感が異なりますが)。
ボクはライトニングストライク(ハヤブサ)の♯4/0。
フッキングに有利となるボディ目いっぱいにフックを背負わせても、ワイドゲイプ過ぎないので見た目に違和感がありません!(^^)!
ただ、テキサスリグなどで順刺しする場合は、ボディの細い方に針先がくるので、♯3/0がマッチします。

ラインスラッグをフリーにした状態で送り込んでいただければ、艶めかしくツメを振りながらのバックスライドフォールしますよ!
そして、着底後にチョン!と跳ねさせればキックバックするアクションでもバイトを誘うので、1~2回はロッドで誘うことも意識していただければと思います。

なお、風でラインがあおられたり、流れに持っていかれる場合は、
お尻付近にネイルシンカーを刺していただければ魅力的なバックスライドフォールを維持できます。
フッキングを妨げないために、ヨコ刺しがおすすめです!

パッケージは形状を守るブリスタータイプ。
クセがつくとアクションが損なわれますので、保管もこのブリスターをご活用くださいm(__)m

ツメはこれまたクセがつきにくいよう、繋がった状態で出荷されますので、使用時には切り離してください。

高比重ワームのノーシンカーはこれからが旬!
ラインが引き込まれるバイトを堪能して欲しいですね!(^_-)-☆

kawamura 2022.04.04

こんにちは、川村です。

ここ一か月ちょいの間、三島湖・豊英湖・霞水系・そして広島県に遠征しての三川ダム&八田原ダムへ釣行しました。

冬~春にかけて房総リザーバーに通うのは恒例ですが、
特に今年は、プロトのスクーパーフロッグマグナムを試すのが楽しくて通い込んでしまいました。

さすがにまだ水面には出にくいので、ヘビーダウンショットリグで。
このサイズになると浮力も強いので、シンカーは10~14gがマッチします。
1オンス超えのリグになるため、ロッドはミディアムヘビー~ヘビー。ラインは16ポンドです。

スクーパーマグナムをご覧になった方からは「デカッ!」と言われることが多いのですが、
実際に使ってみるとそれほどでもなく、もっと大きいのも欲しくなってしまうくらい。
50アップも釣っていますが、40cm以下も食ってきます。
まあ、釣れるとグッドサイズがほとんどであることは確かです!(^^)!

とは言え、ボリューム感に加えて動きもパワフルですから、いつでも釣れるワケではないことも経験済み。
しかし、数もサイズにおいても、他を圧倒する釣果を出せていることもまた事実・・・!
ある日の豊英ダム釣行では、ゼロかイチかの状況のなか10バイト7キャッチ。3度食い直してきたバスもいました。
今年、ノドからアカガエルの足が出ているバスも2匹釣りましたが、これまで6~7年通っていても一度もなかったこと。
カエルを意識したバスが疑いなく反応しているからだと思うのです。

ただ今2次試作のテストを終え、1次試作の方が良かった部分もあり。
大きくなったことでレッグのレスポンスが悪くなったため、レッグの形状と角度を修正したのですが、やり過ぎてナチュラルな動きが損なわれました(^^;
口部分も傾斜をつけたカップ状にすることで太いフロロでもダイブしにくいようにしたのですが、ダウンショットで泳がせたときに不自然な上下動と浮き上がりやすくなってしまい、こちらもやり過ぎ。

これらの調整を終え、次作を待っているところです。
昨今の情勢もあり、発売時期をお伝えしにくいところではありますが、完成は近いです。

 

そして、こちらもリリースを控えているハードプラグ「ジョリー」。
一見、ウエイクベイト系を想像させる垂直気味に立ったワイドリップやジョイント構造、そしてプロップですが、実はシンキングスィッシャーです(^_-)-☆

ボクも草深もシンキングスィッシャーを多用するも、かつてより見切られるケースが増えたと感じるようになったことが開発のきっかけでした。
デッドスロー引きでもペラは高速回転するメリットはそのままに、弱った小魚のようにヨタヨタとアクションすることで、追尾してきたバスに見切られにくいように。
また、ノーアクションのシンキングスィッシャーではバスに気づいてもらいにくいような、濁った水色や水深での集魚力も高まります。

量産試作品では、三島湖のバックウォーターと霞ヶ浦にて、グッドサイズを連れてきてくれました。
休日の複数のボートで賑わったバックウォーターでは、周囲より深い垂直岩盤のキワをゆっくりただ巻きしてくるとググッ~と重みが乗って47cm。
霞水系ではアングリングバス取材にて、風で波立つ中でバスに気づかせる誘い方を試すとデカバスが引ったくりました。

このロケでは他にも、イナッコにボイルするもルアーには見向きもしなかったバスに、シチュエーションを無視した!?ルアーやリグにグッドサイズが連発(*^^)v
正攻法が効かないバスに対する引き出しが特効薬のように効いてくれましたが、詳細は紙面にてm(__)m

 
霞水系では、岩佐吉一さんが主催するオカッパリ大会「B.B.LAND」にもゲスト参戦しました。

上記のイナッコボイルを狙いに行きましたが、冷え込みによりスッキリ居なくなり・・・”(-“”-)”
バスを追って下っていき、コスモ3.3g+M.P.S BIGで1本!

この時はバスを探してどんどん歩いていったため、バーサタイルロッド1本で身軽に。
3.3gとやや重めのスモラバに、トレーラーのM.P.Sも〝BIG″にすることで、ベイトフィネスタックルでなくとも扱いやすくなりますよ(^_-)-☆

80人参戦にて、9人がバスをキャッチ!

優勝者は、V3ミノーで51cmをキャッチしたダイスケさん!

2位は、48.5cmをブルーバックチャートのリズィーでキャッチした、フィールドレポーターの戸崎優翔。
3位は46.5cmが2人。Yuuさんがカットテール4のノーシンカーで。ギバさんがブレーバー5.7のネコリグで。

圧巻は、同じくゲスト参戦した佐々木勝也。
48cmの1900g超えと、43.5cmながら1600g超えのブタバスを仕留めてきました!
大きいほうはガストネード110。小さいほう?は、ヴァラップスイマー3.3インチのアラバマリグで。

 
そして三川・八田原へは釣りビジョン「follow my F」の撮影にて。
この2日間は・・・本当に寒かった!
初日は気温4℃の雨。翌日は最低気温マイナス1℃。せっかくの広島遠征なのに、なんでこんな日に(-_-;)
会う人皆さん、「先週は良く釣れたんですけど・・・」。なかには「1日に40匹!ヴァラップスイマーでよく釣れました!!」なんて。

バックウォーターから下ったバスを追って、オカッパリの限界アプローチにも挑みました。
こちらも、釣りビジョンを視聴できる方はぜひ!
初回放送は、4/19(火)の22:00になりますm(__)m

 
まだ急な冷え込みはありますが、フィールドも生命感に満ちてきました!
4月の中旬くらいからは、スポーニングも本格化してきます。
バスは減りゆく魚です。特にネストや稚魚を守る親バスがいなくなってしまうと、卵や稚魚は全滅しかねません。
その場にリリースするにしても、速やかに戻すことがいっそう大切になるタイミングですね!

(一人でも多くのアングラーに浸透してもらいたく、ハリースライドのパッケージから記すことにしました)

それでは、今回はこの辺で失礼しますm(__)m

kawamura 2022.02.14

こんにちは、川村です。

今年の冬は本当に寒いですね!毎朝ガイドが凍ります(^^;
さて、今回はこの冬‟3種の神器”となっている釣法をご紹介します。

まず一種目は、スクーパーフロッグのダウンショットリグ。

開発者も想定していなかった沈めて使う釣法の恩恵により、冬に入っても釣れ続きました。
毎年恒例にしている元旦釣行では三島湖を訪れましたが、年末からの勢いのまま、初バスも釣らせてもらいました。
新色の試作品も試していましたが、中でも〝 YAMABUKI ″と名付けたダークオレンジは、すでに欠かせなくなっています(^_-)
しかし、横方向に逃がしていく誘いゆえ、年明けからはトーンダウンしたかな。

 
代わりに釣果を上げるようになってきたのが二種目、ブルスホッグ3兄弟。

豊英湖や戸面原ダムといった房総リザーバーでは、ギャップジグ+ブルスダディ(2~3節カット)や、3インチのリーダーレスダウンショットリグで使いますが、昨冬に続いて有効です。

ミドルレンジ(3~6mほど)にある沈み木などを狙ったときに、枝を乗り越えては落とします。
この時、スーッとさばいた時に生じるパドルを左右に震わせる動きが、メインベイトである小ギルが枝の隙間から出てくるように見えるのでは!?と。
戸面原ダムにて開催された「デビル会」では、ブルスホッグ3インチにフラスカートを付けたもので2位に入賞できました(*^^)v

一方オカッパリでは、ブルスホッグベイビーの出番。
スモラバ(コスモ)の1.3~1.8gにセットして、フィネスなジグストのイメージで誘いました。
ボトムをとったら、ポンッと軽く浮かせ、ややスローなリズムで「ポワンポワン」と優しく誘ってきます。
ブルスベイビーは軽い誘いでも柔らかく上下動し、サイズの割に水押しは強い。

いきなり2キロオーバー!さらに1600g超えと、冬でも動けるグッドサイズが食ってきました。

ピンスポット、特に中層一点誘いとなるとM.P.Sの方が断然向きますが、オープンウォーターならブルスベイビーのフィネスジグストはぜひ試していただきたいメソッドです(^_-)-☆

 
そして、2月に入ってからはシャッドプラグがメインに。これが三種目。

日照時間も伸びてきたからか、寒いのは相変わらずですが、ちょっと上向いてきたような!?
やや浅めのレンジを泳がせやすいシャッドの中から、スティーズシャッドSR・ワスプ50・スピンムーブシャッドを動きの強さで使い分けました(左から右にいくにつれて強くなります)。

そういえば、元旦の三島湖では、朝のフィーディングタイムでフェイス87でもグッドサイズがきました。
シャッドで釣っているのも出社前のチョイ釣りなのですが、シャッド&ジャークベイトで朝の短い時合いを効率良く探ることが、〝ワームで丁寧に誘う″を凌ぐことは多々ありますね!

しかし、ワームでもオタノシミが・・・
スクーパーフロッグのサイズアップ版、「ダディ」と「マグナム」。

Basserの取材で来社した松本幸雄さんに渡すと、後日、三島湖にてマグナムで釣ったという53cmの写真が!
先を越された~!と、ボクも豊英湖にいくと、マグナムで悔やみきれぬラインブレイク”(-“”-)”
ダディではフツーサイズを一発仕留めましたが・・・

しかし、アクションは正直イマイチでした。
大型化したことで、レッグのレスポンスが悪すぎて・・・(-_-;)
すでにCADデータの修正を終え、二次試作を待っているところです。

そんな感じで、ことさら寒いこの冬ですが、例年より釣っています。
チョイ釣りでも、フィールドに出ているからですね。
もう少しすれば、冬の底も脱するはず。デカバス狙いのベストシーズンがやってきます!

 
最後に告知をm(__)m

ルアーマガジンロケにて、トップ50プロ・黒田健史さんとステラとイグジストについて対談&使い比べという禁断企画を行ってきました!
タックルオタクでもある黒田さんとのトークですから、濃密&過激!?ルアマガさんがどこまで公開できるかは、ボクも見どころです(^^)

そして、Basserでは「スト特集」とのことで、ミドストを徹底検証!
〝ミドストと言えば″のティムコで開発を担当する大津清彰さんを弊社に招き、水槽で様々なワームやセッティングを検証しました。
ミドストで釣れるワームの条件とは!?見た目や動きのリアリティだけではない要素もあるのです。

どちらも今月末売りの号にて。ぜひお目通しくださいませm(__)m

kawamura 2021.12.28

こんにちは、川村です。

今年もあっという間に年末になっちゃいました。

ここ一ヶ月半の間に、陸王の決勝があり、続いて艇王の決勝。
それ以外では、ザ・フィッシングや中国ダイワからのロケ依頼、そしてプライベートでも三島湖を訪れました。

陸王はご存知の方も多いと思いますが、おかげさまで2連覇を達成することができました。
晩秋の霞水系には例年手を焼きますが、今回は直前の大雨&強風で有望スポットの多くが潰れ、過去イチに釣れない陸王となりました。

今回は、Abema による生放送の演出により、初日の結果すら知ることなく結果発表が待つスタジオへ。
2日で3匹。到底勝てるとは思えない釣果に、意気消沈していたのが正直なところです。
しかし、対戦した藤田京弥さん・三原直之さんの釣りをドキドキしながらも観るにつれ、同じく苦戦していたことを知った次第です。

唸ったのは、両プロの選んだシチュエーションや釣り方が共通していたこと。
荒天の影響を受けにくく、流れや濁りを避けるプロテクトエリアはストレッチまでも時間差でバッティングしており、
釣り方も、ブラストボーンJr.やボラコン、ハドルスイマーといった、ボリュームベイトでスローに誘うところでも一致。

ただでさえ広い霞水系ですが、今回は新利根川や与田浦も含んでの全域が競技エリアとされ、2日間のプラクティスでチェックすることは到底ムリ。
それでも、同じエリアを選び、共通した釣りを展開している選択眼は驚きでした。

ボクは最後まで絞り込めず、全部撃ち。3匹ながら、全てグッドサイズだったことが幸いしました。
バスの着き場が掴めないのでとにかく歩いてバスとの遭遇率を上げるしか術がなく、
その代わり、ルアーはギャップジグ+ポーク(ピッグダディJr.)で、「撃つ」も「泳がす」も、全てをまかないました。

今年の陸王は、印旛沼水系での予選も含め、ウエイトにカウントされたバスは全てギャップジグ+ポークによるもの。
予選での10本+決勝での3本の平均ウエイトは940gを超えており(290gがいたにも関わらず)、半数以上がキロアップ!
リミットメイクを適えるバイト数とグッドサイズへの訴求力、そしてフッキング率の高さは、コンパクトカバージグならでは。

なかでも、カバージグとしては異例に軽い、3.5gによるスロースイミングは欠かせない武器となっています。

 
亀山湖で開催された艇王は、松本幸雄さんと藤田京弥さん両名とも得意とする、ライブスコープを活用した釣りに脅威を感じていました。
直前にニジマスが放流されたこともあって、デカいのは沖に出ているとすると、なおさらに。

一年ぶりに訪れた同フィールドでしたが、とにかく釣れていないと。
プラクティス日に開催されていた大会では、優勝で1.400g台一匹・・・
対戦する2人には当てはまらないだろうな~とは思いつつ、プラクティスでは両日とも4匹ずつ釣れ、悪くはない!?
リミットメイク(3本)はイケそうで、一発グッドサイズが入ればもしかして・・・

プラクティスフィッシュ

ハミンバードの360°魚探で見つけた、フラットのエッジの一部分が岬状に張り出したピンスポットと、島前のフラットに点在する沈み木。
日中は、岩盤岬のすぐ裏がエグレになっているスポット上に、木がオーバーハングしてシェードになっていると、高確率でバスがついていました。
外からキャストしてもエグレに対してタイトに誘えないので、エレキは惰性で木の下に潜り込み、バーチカルにリグを落とし込みます。

リグは、スクーパーフロッグのダウンショット(3.5g)に、フレッシュに反応してきました。
亀山湖でのライトリグと言えば、ワームカラーはブラックが定番。濁っていたのでなおさらでしたが、
朝のローライト時はむしろピンクにしたほうが、目立ってすぐに食ってくることにも気づきました。

そして本戦。
目指した白鳥島のフラットにはすでに数艇が浮かんでいましたが、運よく狙いのピンスポットは空いていました。
そして早々に40アップ、840gがピンクのスクーパーにきました!
このフラットには、藤田・松本両名の姿もあり、これは意外。沖のライブスコープシューティングを予想していたからです。
9時に設けられた休憩前に、松本さんもグッドサイズをキャッチするのを目にしました。

その後は音沙汰なく、手堅いと踏んでいた岩盤エグレをラン&ガンしますが、ノーバイトだったのはガックリ(-_-;)
終了間際にフラット上の沈み木で、一匹を追加するのが精一杯でした。

結果は、30g差で松本幸雄さんの勝利!!
僅差ではありますが、内容的には数字以上の差があり、勝つべくして、です。
そして、あの藤田京弥さんが苦戦するとは想定外!何があるか分からないものです。

 
その後通っている三島湖では毎回竿頭で、スクーパーフロッグのダウンショット強し!
この釣法を教えてくれた松本幸雄さんの影響力もあり、リグっている方も多く見受けられるようになりました。

釣果の差となる誘いのコツは、細かいシェイクではなく、スローテンポでシェイクすること。
水面でキックアクションさせてくるのと同じイメージで、一点誘いではなく、ゆっくり横移動です。
ハイシーズンは中層を泳がせてきましたが、冬に入ってからはボトムや沈み木に絡ませながら泳がせています。

フックはライトニングストライク(ハヤブサ)の♯4。バラシはほぼ無く、口内の深い位置に掛かっていることが大半です。
ノーシンカーではワンサイズ大きい♯2を用いていましたが、ラインが張った状態で押さえ込まれるこの釣りでは♯4に落ち着きました。

シンカーウエイトはやや重めのほうが、キレのあるキックアクションが出せることと、浮力のあるエラストマー素材でも速やかに狙いのレンジへ届けられます。
2.5~3.5gを用いていますが、これからは5gも試してみようと思っています。

 
さて、おかげさまでボトムアップを立ち上げて丸5年が過ぎました。
ひとつの節目を超えることができ、あらためて、日ごろ支えていただいている皆さまへ感謝いたしますm(__)m

アングラーとしても、この五年間で陸王3回・陸王レジェンド・オカッパリオールスターと、5つのタイトルに恵まれました。
ウイニングルアーとなったのは前述したギャップジグのみならず、
ビーブルのスピナベサイト・ハリーシュリンプ3のバックスライド・ブルスホッグ3のリーダーレスダウンショット
ブレーバーマイクロのダウンショット・ブレーバー57のスナッグレスネコ・コスモ+M.P.S2.4など・・・
生み出したルアーが貢献しているのは、タフフィールドでの実釣感覚とモノ作りがリンクしているからこそ。

今年はスクーパーフロッグで、スレを感じさせない本気食いを味わうことができました。

しかし、バスは学習するサカナですので、ずっと同じ効果で釣れ続くことはないでしょう。
引き続き新たなアクションを模索しつつ、バスに挑んでいくことが大切だと思います。
2022年もそんなルアーをリリースできる予定ですので、楽しみにしていてください(*^^*)

そして、依然コロナ下にありますが、先日は久しぶりにショップイベントを開催していただきました。
福岡にあるオールブルーさんにて、人数制限を設けさせていただきましたが、その土地のアングラーやフィールドを感じられるイベントはやはりいいな、と。
また、かつてのように開催できることを願うばかりです。

今年も一年、ありがとうございましたm(__)m
皆さまにとりましても、2022年が良い年になりますよう!!

 
ボトムアップ株式会社 川村光大郎

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