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『ブレーバースリム開発話』

kawamura 2024.07.22

こんにちは、川村です。

先日、『ブレーバースリム8インチ』をリリースさせていただきました。

近年定番化した、ロング&スリムストレートタイプ。

ロングボディながらその細さから弱々しい存在感で、サイトフィッシングや食い渋る状況にめっぽう強い!
形状変化に富んだ艶めかしい動き、そして、止めると元の形状にゆったり戻っていく様も生命感を演出します。
そのバイト誘発力の高さは “ルアーパワー”と呼ぶに値すると評しても、異論はないのではないでしょうか!?

さて、そんなロング&スリムなブレーバーを作ったらどうか!?と着想することは自然な流れでした。
シャッドテールの振動が伝達し、ロングボディも微振動・・・釣れそうじゃないですか!
ところが、いざ作ってみると想定していなかった事態が起こりました。
それは、シャッドテールが動かない(?_?)

1次試作はテールアクションが微弱すぎ。初動も悪く。
これではボディまで震わせてくれるワケもなく、フォール姿勢も反ってしまって不自然・・・
この「反ってしまう」のが、シャッドテールが水を掴まなくなる原因でした。
しなやかにしなるロング&スリムボディは、シャッドテールが水を受ける抵抗から逃げるように身を反らせてしまうのです。
すると、シャッドテールは水を掴まなくなり、機能を失うといった事態(-_-;)
他に、ボディ長もロング&スリムならではのアクションを生むにはちょっと短すぎたかな。
【1次試作アクション動画】

そこで、2次試作ではテールの付け根部分を延長し、肉厚も薄くすることでテールの自由度をUP!
ボディは少し長くしたうえ、フォール姿勢も斜めになりがちだったため、前後のバランスを見直しました。

しかしそれでも・・・テールアクションは理想の振り幅には程遠く、ボディまで震わせるにも至りません。
ネコリグでのフォール姿勢もまだ反る!”(-“”-)”

3次試作では、テールエンド(ウチワ部)の厚みを薄くし、付け根部分をさらにスリム化。
テール角度も少し立て、水を逃しにくくしたうえ振りの質をよりウォブルにすることでボディを震わせやすくしました。
テールをカットする際のクビレも一回り太くし、少しでもテールが反りにくいように、と。
他にも細々と修正を加え、どうだ!?

・・・の3次試作は使えるレベルにはなったものの、テールアクションはまだ弱いっ!

そこで4次試作では、テールの付け根をさらに延長&スリム化し、ウチワ部の幅をわずかにワイド化し、角度は垂直に。

ボディも前後がまだ少しアンバランスだったので、テールに近い方を一回り太くしズンドウに近づけました。
ネコリグのボトムアクションも、もう少し針掛け位置を前にした方が良く感じ、ハチマキを5㎜ほど前に移動。

そのハチマキも、ブレーバーⅡのようにリブを入れることに。
スリムボディには不要かとも思っていたのですが、少しでも動きに一体感と、ボディの前後バランスを均等に近づけたかったからです。

ノーシンカーワッキーでの針掛け位置は肉盛りが分かりにくいので、少々肉盛り。わずかながら、針持ちにも貢献します。

他にも隅々まで微修正し、もうやることはないぞ!!と。

素材(硬さと塩の含有量のバランス)は開発過程で絞りつつ、最後は本金型で打ったサンプルで決めるようにしているのですが、ロング&スリムならではの悩ましさはありました。

柔らかい方がノーシンカーワッキーで自発的にクネる動きには有利。
しかし、ボディが細いため、柔らか過ぎるとネコリグ時にボディが垂れ下がりテールがボトムに着きっぱなしになってしまい、魅力的に波打つ動きが出ません。
また、ボディの復元力も素材が柔らかいほど弱くなるため、ロッドワークに対するレスポンスが悪くなり緩急の利いた誘いも適わず。
やや張りのある素材の方が姿勢もアクションも良く、さらに針持ちにも有利。
上記を天秤にかけたうえで、やや張りのある素材を選択しました。

塩の含有量も、高比重にし過ぎるとボトム姿勢が垂れ下がり過ぎるうえ、反発力も弱まります。
しかし、比重が軽すぎても、合わせるフックが小さい(軽い)ためノーシンカーでの沈みが悪くなるし、自発的アクションも生じにくくなる。
悩みどころでしたが、本来よりも塩の含有量を細かく指定させてもらうことで決着しました。

ちなみに、ネコリグでのシンカーウエイトは、0.5g程度でもテールを振りますが、イキの良さでは0.9g~がおススメ!
ワーム飛びを防止するチューブは、3~3.5㎜がマッチします。

ネコリグとノーシンカーワッキーリグ以外では、ヘビーダウンショットリグでのスト誘いもキテます!

ワッキーダウンショットを連想するところ、松本幸雄さんに教わったオフセットフックを用いてのリギングに特別な効果を感じました。
同船した際にブレーバースリム8inを渡すとこの使い方をされ、速攻で53cmを釣られたのです。

シンカーウエイトは5gを用いていましたね。
ボクもマネするとすぐにヒット!ジグストよりもはるかに繊細かつ、細身ゆえの速さでリアクション効果も高いと感じました。
フックはナローゲイプの#2~1がマッチします。

パッケージはシャッドテールを潰さぬよう、ブリスターパックを採用しました。

ラベル部をミシン目から切り離せますので、その分コンパクトに収納できます。

弱々しくも、ピリピリっとした刺激は薬味の効いたそうめんのよう!?で食欲を増進!!

ぜひお試しください\(^o^)/


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