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『Wウェーブスカートとは?』

suzuki 2025.02.21

こんにちは、鈴木翔です!

突然ですが、皆さんは「一番好きなルアーのジャンルは?」と聞かれたら、何と答えますか?
私は迷わず「バズベイト!」と答えます(笑)。
理由はテンポが良く、引っ掛かりづらい。そして、バイトシーンが目に見えてエキサイティング!

すでに市場には様々なバズベイトがありますが、トータル性能で満足のできるバズベイトは無く・・・そこで、バズベイトの開発に着手しました。

サウンドに注目されがちなバズベイトですが、濁った中や水質が悪化した状況下でバスに気づかせ刺激する波動の強さをペラが備えていることも重要です。そして、バスがバイトしてくるスカート部分が魅力的なアクションをすることも大事な要素。これらは川村と私の共通意見でした。

ペラを大型のオフセットタイプ(ワイヤーがペラの中心を通っていないタイプ)にすれば、必然的に振動が強くなりますが、空気抵抗が増して投げづらくなったり、回転レスポンスが落ちるといったデメリットが。
では、ペラは弱くならない範囲で小型化しつつも、その他の部分でペラの振動やそれに伴う効果(スカートアクション)を補えないか…。それを考え思いついた、いくつかの要素を盛り込んでいるのですが、そのうちの1つが新たなスカートのタイイング法とそれを適える機構です。

その名も『Wウェーブスカート(PAT.P)』。

一見、ただの長さが違う2段スカートでは?と思われたかもしれませんが、実はスカートを2か所に巻いています。

まず、発案の基となったのはスピナーベイトのビーブル。

内側のスカートを少しだけ残した状態でカットすることで、外側スカートの付け根が立ちやすく(=水流を受けやすい)、なびいた時に内側スカートと干渉することがないので、スカートがよりライブリーに動くタイイング法です。

当初、開発中のバズベイトにも採用しようと考えていたタイイング法ですが、1カ所の溝に巻けるスカートには限度があり、多すぎるとスカート同士が干渉しやすくなります。
また、内側をカットすることでスカートの本数も減っているので、必然的にボリューム感も損なう…。
バズベイトにおいては、スカートの本数を増やすことで抵抗が増して浮き上がりやすくなり、スローリトリーブへの対応力もアップする効果があるので、個人的には気持ち多めが好みです。

そこで、スカートを巻く溝をヘッド内に2ヶ所設けました。

それぞれのスカート内側をビーブル同様にカットすることで、前後のスカートに空間が生まれることによる“スカートへの水当たりの良さ”と“ボリューム感”の両立を実現!

前側に巻くスカートを「フロントスカート」、後ろ側(フック側)に巻くスカートを「リアスカート」と呼びます。

スカートは水流を受けることで、タダ巻くだけでも自発的に動いてくれます。
しかし、スカートの質やタイイング法によっては、まるでゴミが付いているかのようなレベルで動かない物も少なくありません。むしろ、かなり多いです。
ビーブルがよく釣れる理由の1つに、独自のタイイング法とスプリッターによる横揺れによって発する魅力的なスカートアクションが挙げられると思います。
バスは人間が思っている以上に、細かな部分を見ていますからね!

最もポピュラーな内側をカットしない1カ所巻きは、外側スカートと内側スカートの隙間が少なく、外側に水流が取られ、内側には当たりづらくなります。

Wウェーブスカートは、2か所の巻き位置に距離があるので、リアスカートへの水当たりも良い!

近年は減った、スカートをスレッド(糸)ではなくゴムバンドで止める方法も、Wウェーブスカートと同様に前後のスカートに隙間が生まれますが、内側のスカートがフック側から押し上げられることがないのでフレアしません。フレアしないことで、水流に対してスカートが平行に近い角度に寝るので、水を流してしまう(=動きづらい)。

スカートの長さを長くするとウネリやすくはなりますが、バズベイトであればペラと絡みやすくなり、スピナーベイトであればリアブレードとカーブフォール時に干渉してしまうので、実釣面において長すぎるのはNG。

ビーブルのように、巻こうと思えばワームキーパー部にスカートを巻いて、2か所巻きにできるモノもありますが、巻き付け部の幅やスカートを押さえつける前後の形状・大きさがスカートを巻くのに適しているとは言えません。

今までにあるモノで満足できるのであれば、新たに作る必要はなく・・・
2か所に巻くことで量産時に工員の手間が増えることによるコスト面の問題などもありますが、それよりも性能を優先したい!
バズベイトだけでなく、今後発売するフルサイズビーブルにも搭載予定です。

最後に、そのWウェーブアクションをご覧ください!


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