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『ビーブル パーツへのコダワリ~スプリッター&ブレード編~』

kawamura 2019.06.13

こんにちは、川村です。

長らくお待たせしておりましたスピナーベイト、『ビーブル』の初出荷を終えました。
納品を心待ちにしていたにも関わらず、いざお店に並ぶとなるとちょっと惜しいような・・・
スプリッター付きの原型を使い始めてから2年以上の間で、オイシイ思いをさせてもらいましたからね(#^.^#)

【2017年3月 小貝川にて49.5cm】

【2017年6月 西湖にて50cm】

“スプリッター”という横揺れを発生させるパーツに目がいきますが、それ以外のパーツ一つ一つにも拘り抜いたスピナーベイトゆえ、スプリッター抜きにしてもGoodなスピナーベイトだと思います。
これから数回に分けて、各パーツへのコダワリを語らせてください!

今回は、スプリッターとブレードについて。

スプリッターは、スピナーベイトとしての性能をグッと引き上げてくれた核心となるパーツ。
アームを左右に振動させることで、まるで小魚が身震いして泳ぐようにスカートを躍動させ、ゆっくり巻いても艶めかしく揺らめき、高速巻きでもバランスを崩すことなくビリビリとスカートを震わせます。
スピナーベイトをアクションさせる震源地はブレードにありますが、ビーブルは2つの震源地を持つことで複雑な振動を生み出しているのです。

副産物として・・・
実際の釣りで聞こえるほどではないのですが、水槽で泳がせると擦れ音を発していることも分かり、これもバスを刺激する一因かもしれません。

しかし、スプリッターを入れることによる弊害も発生しました。
ブレードの回転レスポンスが落ちたのです。

考えられる理由は2つ。
1つは、スプリッターが水を受けることで、その後方に位置するブレードに当たる水流が弱くなってしまう。
2つ目は、アームが左右に震えることで回転軸がブレてしまい、ブレードの回転にも影響を与える。
特にフロントブレードの回転は明らかに鈍ってしまいました。

レスポンス良く回る形状を模索した結果、TW(タンデムウィロー)では、インディアナ形状。
DW(ダブルウィロー)では一般的なウィローリーフよりも細い形状にすることでこの問題を克服!
見劣りなく高速回転するフロントブレードに仕上がっています。

リアブレードは、ワイドな回転角でパワフルに水を攪拌することと、着水の瞬間からスローリトリーブでもしっかり回転するレスポンスの高さも必須条件でした。

スピナベサイトがまさにそうなのですが、落とし込みながらゆっくり巻いてくる“カーブスローロール”で引き込んだ際、ラインの角度が立ってきて回転に不利になってきたときに、ブレードの重みに負けて「パタッ」と回転が止まってしまうモノはイマイチ・・・
ビーブルのリアブレードはシビアな使い方でも回り続け、最後まで生命感を失いません。

余談ですが、最終サンプルであがってきたブレードのレスポンスが僅かに劣っていることに草深が気づきました。
確認すると、カーブスローロールで泳がせたときに「パタッ」と倒れ込むのが早い・・・
形状はデータ通りでしたが、重さを計ると、OKサンプルよりも0.2~0.3gほど重く仕上がっていたのです。

原因はメッキの厚み・・・メッキ処理の改善と管理を徹底するよう、工場にお願いした次第です。

そして、ブレードのカラーにもこだわりました。
スカートカラーと同じくらい釣果に影響すると実感しているからです。

写真左から
ゴールドは、シャンパンゴールドといわれる淡いゴールド。
ちょっと弱めのゴールドというか、ベイトフィッシュっぽくもあるゴールドです。
昔読んだTackle Box誌で、リッククラン(だったかな?)、が「白っぽいゴールドが釣れる」と・・・
フラッシングは強いけど色合いはキツくない、そんなゴールドです。

シルバーはピカピカにフラッシングするものではなく、フラッシングを抑えたマットシルバーに。
スレきったバスに対して強いフラッシングが好まれないと感じる場面が増え、ガンメタブレードを選ぶか、シルバーはサンドペーパーをかけてフラッシングを弱めて使うこともあったからです。
H-1グランプリの初戦、プラクティス時に必要性を感じるも持っておらず、草深が駐艇するマリーナに取りに行ったことが功を奏し、3位入賞に貢献してくれたブレードカラーです。

ガンメタは、クリアウォ―ターやハイプレッシャー時において絶対に欠かせません。
とくにスピナベサイトにおいては、明らかな反応の違いを実感しています。
地味なダークトーンながらもフラッシング効果はあるのがいいのかな?
食わせカラーとしてもっとも信頼しているブレードカラーです。

最後にコパー
ゴールドをマイルドにしたイメージで、例えばK.O.チャートやパーチのような地味目のチャートスカートと合わせることで強さを抑えたチャート系に仕上がります。
あまり一般的でないのもちょっとしたアドバンテージ?
また、野池にある濃い紅茶のような水色への馴染み感は最高です。

最後にちょっとした注意点を。
スプリッターごとラインをまたいでしまったときに、一般的なスピナーベイトのように自動的には元に戻らないことです。
このままでも普通に泳いできてしまうので無駄なキャストにはなりませんが・・・スプリッターの横揺れ効果は見込めません。
直してから次のキャストを行ってくださいませm(__)m


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